酒の井戸

アルコールの海に溺れながら考える世界のいろいろな出来事。または箱庭的な自分のこと。

殿様、ねずみを食す?! ねぎまの殿様13

 

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風邪を引きまして、仕事を一日休みました。どうぞ皆様も、ご自愛のほど・・・・

  

 えー、都都逸

 

「諦めましたよ どう諦めた 諦めきれぬと諦めた」

 

なんてのが御座いますが。

 

 何のこっちゃワカラン・・・いえ、これは恋の唄で御座いまして。

 

 思い人に寄せた恋心が・・こう一念に思っていてもどうにも叶わないなんて事は、人として生きていれば誰もが、一度か二度は経験するものだと思いますが・・・例えば相手に別の思い人が居たですとか。昔なら身分の違いなんて事もあったかも知れません。ただ単純に自分が相手の好みに適わなかったってぇ事も御座いましょう。この、身を焦がれるような思いの中で、ああ、いっそ諦めちまったほうが身が楽だと。当人だって、そりゃあ分かっちゃ居るんですな。分かっちゃ居るから、幾度と諦めよう諦めようと、自分の心に言い聞かせるのですが、自分の心てのは不思議なもので、かよう思い通りにいく筈が御座いません。いつだって我は我が心に翻弄されるので御座いまして。それでいつしか、もう、この思いは諦めきれぬものだ。いっそこの心のまま、この思いに殉じようと、そう決心しまして、諦めようと言う・・いわばこれは理性の言葉ですな・・・その理性の言葉封じ込め・・諦めたって、まあ字面だけ読むと、「なんだいそりゃ?」て唄ですが、文意を読み込むと、なんともいじらしい乙女心が浮かびます。

 

 いいもんですな。

 

・・・・といっても。いや、近頃は、行動主義の方が多う御座いまして。少し前の流行で御座いますが「いつやるの?今でしょ」なんて言葉が流行ったり、なんでも前向きになんて風潮に洗脳されちまって。それ自体は悪いものではないのですが、変に勘違いして頑張っちゃって、

 

「あたしは、あたしの心を諦めきれぬと、諦めたんだから・・やるしかないでしょ」

 

なんて了見で開き直って朝昼晩と、のべつかまわずメールを日に2375件送るとか、相手の行動を念入りに調べ上げた挙句付回すなんてのは・・よろしゅう御座いません。

 

 諦めきれぬと、この如何にもならない一粒の思い種をあがいた末に、我が心の内とだけ決めて誰にも告げず、それでも諦めきれぬと忍び音に泣き思い続けるなんて・・いえ、この都都逸の前提はそこにあるのですよ。それがあるから、この唄を呼んだ人も「ああ、いじらしいな、いいものだと」と、またわが身を翻り、過去の思い出なんかに浸ると・・・そうなるわけで。

 

・・・あたしも今日諦めましたよ。ええ、諦めきれぬと諦めました。

 

 今日は休肝日にするはずだったんですがな、この恋心、酒への思いは如何にも断ち切れないもので・・へっへっへ、・・あたしは諦めきれぬと諦めました、今日休肝日を諦めましたってなぁ・・あんた、いつもそればっかり!!って、いや、至極ごもっとも。

 

 どうぞ毎度さん。お付き合いのほどを。

 

 

えー前回の続きですな。

 

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2 

 さあさて、にゃあが何であるかと知れた留太夫は、これとこれをと手配の者を走らせます。魚河岸、大根河岸と食材を集めまして、これが殿様の食すものってんですから、鮪も葱も新鮮なぴちぴちのものを買ってまいります。鮪は獲れたて、葱は本場岩槻のってぇ・・さあ段取りが出来たと。

 

 それで、まあそれからで。

 

 これを殿様が食するものだからと料理番でも気を使います。鮪はってぇと骨のところや血合い、脂身の多いトロなんて所は殿の体に障るからと除きまして、赤身の部分だけをさいの目に切り、これをいったん蒸篭で蒸しあげました。葱も青いところは捨て、芯も除いて、茹で上げたものをお鍋に入れる・・・・。

 

 先達て当ブログでも、この煮売り屋で食されているねぎまとは、どのような物かと紹介しましたが、

 

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 まあ、随分と具合が違いますな。

 これを留太夫が殿様の元へ

 

 「おおそれながら、にゃあの仕度が出来まして御座います」

 

と、持ってまいります。

 

 「うーむ。先日のにゃあは、赤いところ、白いところ、青いところと三色(みいろ)であったが、本日のにゃあは灰色一色であるな。これは真ににゃあか?」

 

「左様で・・当家伝来のにゃあに、相違御座いません」

 

なんて、留太夫いらない見栄をはる。 

 

 「そうか・・」

 

と、殿様は一口召し上がりましたが・・・骨血合い脂身なんぞを捨てて赤身の部分を蒸しあげてからてぇ調理法で御座いますから、出汁も旨味も有ったモンじゃありません。酷くぱさぱさして、そっけない味わいで・・・

 

「ぶ、無礼者!これはにゃあでは無い。当家の食倉に巣くうチュウである。直ちにこれを駆除し、三毛のにゃあをもってまいれ!!」

 

・・と、まあ一体この人はなにを言っているんだと言う話ですが、留太夫はおおそれ入り入り、

 

「はっははー」

 

と、慌てふためき座を下がります。

 

さあ、留太夫さん、再びピンチで御座います。

 

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3 

 

食倉にあるチュウを駆除し、三毛のにゃあとは・・普通に仕事先で上司にこんな抽象的なこと言われたら、パニックですよね。

 

 上司「あのさ、ちょっと来週の会議、取引先の他社さんが顔出すって話になって、・・・少し長引きそうなんだわ。接待ってほどでもねぇけど、昼飯の弁当くらいコッチで用意しようって上に言われてさ。・・おまえ、にゃあを・・そうだな、さしあたり二十食ばかり手配できる弁当屋探してくんない?急で悪いけどさ。」

 

 僕「(にゃあってなんだろ。でも、大前提の用語みたいだし、聞き返せない)・・・分かりました」

 

僕 インターネット・・カタカタ、検索用語「にゃあとは」・・ああ、なるほど。仕入先の弁当屋ぽちー。

 

当日

 

上司 「おおい、なんだよこりゃ。俺にゃあって言ったじゃねえかよ。こりゃチュウじゃねえか。・・・おいお前、どうすんだよこれ。チュウなんていらねえんだよ。お前、切腹かーこら。ああん?」

 

 

・・とまあ、言葉のすれ違いってモノは、いやたまさか・・・落語ですからアハハ、 アハハなんぞ笑ってられますが。実社会に置き換えると鳥肌もんでございますな。

 

さあ、次回。留太夫切腹の危機再び!?てぇ段で御座いますが・・・さてはてどうなる事やら。

 

また。

 

追記

 

タイトルのつけ方を、少し変更いたしました。今までナンバリングしていただけなんですが・・・まあ、あたしとしてはそのほうが楽なんだが、少し工夫が無いなと思いまして。以前までの記事も、随時訂正、変更していきたいと思います。