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酒の井戸

アルコールの海に溺れながら考える世界のいろいろな出来事。または箱庭的な自分のこと。

雨音を聞く

 

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 雨音がじんわりと部屋にしみ込んで、心地よいリズムに誘われてしばらく目をつむる。バランスよく座り、瞑想に近いような状態で、意識を聴覚に集中してみる。そうやって静かに聞き耳を立てていると、「雨音」と一言で片づけるには勿体ない豊かな変化を聞き取ることが出来る。

 

 全体を支配するベースはいわゆる雨音と言われるもの――空から落ちて地面を打つ――擬音に変えると「ザーザー」といった調子の、これが絶え間なく続く。無論音の強弱はその時の雨量によって変化するものだし、短時間の間だけでも、よく聞くとその変化は激しい。

 

 そして強弱だけではなく、高低にも影響を与えているのだと知る。

 

 家の周りは木々に囲まれている。

 

 なので、雨は単純に空から地面に落ちるより、葉に当たりはじかれ水玉は葉先にたまる方が多い。その水玉の粒を葉が溜めきれなくなると、雨粒より大きな粒となって、やがて雨音より低い音となって、地面を打つ。

 

 それから雨が葉に落ちた音というのも勿論ある。この場合は打ち付ける葉の大きさや角度などによって変化するのだろう。または風の強弱の影響を受けたりして、非常に多彩な音が聞こえる。軽く高音で跳ねたかと思うと、ベタ足の低音であったりして、なかなかに面白い。シンコペーションや三連符やスタッカートを多用するのはおそらくこのパート(?)で、聞こえる音と聞こえない音が一番発生しているように思う。

 

 

 軒から落ちる音というのは、ずっとぽたぽた言っている。屋根の構造上そういうように水が落ちるような仕組みになっているらしく、一見?(・・・一聴)無表情だが、これが良い感じに――例えばバンドで言うところのドラムとでもいおうか――全体の自由奔放なリズムをうまく纏める底力になっているような感じがする。

 

 その上に鳥の鳴き声がある。複数の鳥がめいめい勝手に頑張って鳴いているが、雨音が強まるとやがて遠ざかる。

 それなのに、雨脚が弱まったと僅かに判断すれば、またピーチクいいだす。そしてちょっと強まると、またさっと静かに。

 

 しかし、中には鈍感な鳥がいるらしく、皆がさえずりをやめた後も一人で一生懸命頑張ってソロパートを歌っている輩もいて、よくわからない。