コトバ 風物 ジッタイ

ゲンショウの海に溺れながら考える世界のいろいろな出来事。または箱庭的な自分のこと。

日記

ポストモダン的文体を習得するための習作

私はかつて、かなり時代遅れの寺山修司信者であった。私はかつて、かなり時代遅れの寺山修司信者であったから、私が彼を知った時もうすでに彼は死んでいて、その事はわたしが彼に対して抱く敬愛の念と同等の憎悪を彼に対して持つ正しい理由になった。何故彼…

灰色の溜まった街で お上りさんケンブン禄②

1 三分間のポップソングが鳴り終わっても、街のざわめきが止む事はない。音楽プレイヤーも、すぐに次の曲を再生する。ブルックリンファンクエッセンシャルズ クール・アンド・スタディ・アンド・イージィ Brooklyn Funk Essentials - Take The L Train (To …

お上りさんケンブン禄① 出立編

1 午前八時三十分、いつもの時間。 「んじゃ、お先にー」 と、引き継ぎに来た同僚に声をかける。心がけていつものタイミング、いつものテンションで。しかし心はいつもと少し違う。僅かに上ずっているのが分かる。タイムカードを切って、手早く着替え表へ出…

老化へのジレンマと、美しさへの憧れ

1 若い頃よく聴いた音楽に「セックスピストルズ」なんてバンドがあった。 ロンドンパンクのオリジネーターとして、音楽史に消えることのない名前を刻んだこのバンドは、舞台上で恥もてらいも無くド下手な(おそらく既存の音楽的価値観からすれば・・)醜い…

何もしないということをする・・・座禅について少々

序 ほっとくと、すぐブログ更新が五日ぶりとか六日ぶりとかなるのな。おっそろしい。ゴーストライターでも雇おうかしら。って、駄目ジャン、赤字ジャン。別にアフリエイトとかやってるわけでもなしに、出銭ばっか増えちゃっちゃーまったく。やれんよ。毎日、…

実体を持たない自分の真実と、実態を望む世界との五つの乖離点 (ただの日記です))

1 相変わらず喉ばかりが、ゴワゴワといがらっぽくて。 今日は休日。 だらしない顔で起きて、洗面台へ。顔を洗う。歯を磨く。日頃心がけていることは、出来るだけ鏡を見ないこと。鏡を見るなんて行為は、文明を手にした人間が得た最も業深いものの一つに入る…

風邪っぴきオネエのアンビエント講座さわり

序 どうも、どうもと。 エー風邪を引いてしまいまして。熱鼻喉、そいで筋肉痛とお決まりフルコース。まー酷い目にあった。いえ、もう随分回復したのですが、喉だけが依然・・・一週間もこんなつぶれた喉でがらがら喋っておりますと、あたしゃ二丁目の飲み屋…

ゴールデンウィークの中心で、絶望を叫ぶ。

今週のお題「ゴールデンウィーク2016」 えー、世の皆々様は黄金連休だ行楽だと、実に結構ですな。遊山なんぞにお出かけ遊ばれて地元衆から 「にしらは、ろくな銭もねいくせに海だ山だってけつかる。本当たまげたもんだ」 なんて唐突に吐かれ、メンタマ真ん丸…

時間、花、うたかた

桜の樹の下には屍体したいが埋まっている! これは信じていいことなんだよ。何故なぜって、桜の花があんなにも見事に咲くなんて信じられないことじゃないか。俺はあの美しさが信じられないので、この二三日不安だった。しかしいま、やっとわかるときが来た。…

宇宙的混沌を湛えた自室に戻ったのこと

1 どうも、無沙汰さんで御座いますが、無事引越しがこれあい済みまして、と。申しましても距離にして約三十キロほどを西へ。住み慣れた実家へ戻っただけの事ですが、しっかしいやはや。久々に入ったあたしの部屋は、見事物置と化していて・・・。 家族がみ…

何かを書こうとして、それでも書けないときに

1 先達ては三連休であったと、皆々様ご同道でお出かけ遊ばれたのでしょうか。あたしは一人で部屋に篭ってボサーッとしておりました。三日間があたかも長い長いイチジツのように過ぎて、ぼーんぼーんと。ついさっき逢魔時は十八時の頃、近所の冥庵寺の鐘の音…

病人に接する時に、一番心がけてほしいこと。

病人がテーマのブログにはいささか不似合いな始まり さささ、さあさあさあ出ござんす。 さあ本日も、せっせせっせと体内に、こうアルコールを注入いたしまして戯言のような言葉を、まあ毎度さん。吐き散らかしていこうってなモンやで女将さん・・・おナース…

己の恥を朗々と語る

ある日のことを実録形式で申し上げるしだいで御座います。 ああ寒が染み入る。体の芯まで寒が染み入るから今日は燗酒にしようと、急いだ帰り道。夕間暮れの空が山の向こうまでずっと。果てなく伸びておりました。 そんな空の下、せかせか歩いていると次第に…

小銭貯金で意外なほど銭をためこました僕の、動機・方法・結果など2

冬空の、沈む日を見ても覚めやらぬこの夕丘に。ただ一途この想いの猛りばかりは一向に沈む様子も無く、ただただ想い空しく募るばかりで御座います。 この、中空に空しく浮いた心のあてを、何処へ求めようと、日々ただ苛立ちまぎれに街を徘徊し、店と見ればそ…