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雨を待っている僕は、今もこうして窓の外から差し込む月光に照らされている。深夜二時三十分。木々の間から見える月は、やがてもう数時間もすれば、あの山の向こうに落ちるだろう。そうやって世界が少しずつ動いて、こっちが朝日に包まれる頃、この星のどこかはまた夜になる。
ずっと遠い向こう側の話。
今も見たことのないこの星のどこかの町で、知りもしない誰かはたぶん雨に打たれている。きっと忌々しい思いをしながら、空を睨んでいたりするだろうなんて事を空想してみる。
ざまあみろ!!
コッチは望んで雨を待って、それで全然降りはしないのだ。
それで薄ら笑いを浮かべてテレビを付けた。Dvdプレイヤーを起動して、『永遠と一日』を挿入した
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