コトバ 風物 ジッタイ

ゲンショウの海に溺れながら考える世界のいろいろな出来事。または箱庭的な自分のこと。

面白い落語百選 -ねぎまの殿様8

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 毎度おなじみの、長いまくら

 いや、しかしナンですな。先達ては「だんとうだだんとうだ」などと書きましたが、ここ数日と、また寒い日が続きます。来るあての無い春を夢想うより、今この時、この世の冬をば楽しもうぜって、レッツポジティブなんだか、サンキュー言葉の上での春だか最早ヤケクソなんだか、よく分からない文面だがアータ。それでもあたしゃ寒いのはキライだ。出掛けるなんて事になりますと、そりゃ大騒動で御座いますよ。衣類の山をこれでもかと、着込みますからな。下着と一言に言っても一々サイズを変えて。これは一番下、これは中ごろ、これは上辺と層を作りますからな。間違って上辺の下着を着た日にゃあ、ずるずるで御座います。

 

 身体骨格が骨と皮ばかりのやせぎすなのは、子供時分より変わらない・・ってなりますとこれぁ、親の食育、当時の栄養状態に問題があってこんな体質になっちまったんじゃねえかって・・しかし冬になると、そんな親にも感謝の念が自然、湧いてくるのであります。

 

 デブより五枚は多く着込める。

とな。

 

 って・・まあおデブの方は天然の油素材の、ご立派な防寒着を内蔵しておりますから、どうなんでしょうかな。

 

 

 とまあ、そんな次第で何処へ行くにもフーセンのように着膨れておりますから、久々に会う友人なぞには「あれ?太った?」などと必ず言われます。そりゃあそうでしょう。夏の頃にはTシャツ一枚で骨と皮をさらけ出して、冬に会うと、フーセンオジサンですから。

 ひどい者になりますと、「なんか、挙動がおかしいね」なんぞ。着膨れて関節がうまく曲がりませんから、まあ万事、ヨトヨトオタオタと。

 

 

 野次 「いやいーから、早く本文に入れよ」

 

 と、そうなんですね。あたしはこれから落語の話しをするのであります。そろそろ本文に入りましょうか。

 

 ・・いやしかし、こう夢にまで恋想う春とやらは、一体いつ訪れることやら。その春は今どこら辺にいるのでしょうかね。カムチャツカの辺りで昼寝でも、しているんじゃないかと疑うのは毎年のこと。心配せんでも、人の世は万事塞翁が馬、寒きも温かきもまた巡り巡って、皆々様に巡ってくるもので御座います。

 

 では、本日はこの辺で・・・・

 って、

 

野次 「ナニうまくまとめて止めようとしてんだよ」

 

って、はいはいはいはい、本文でしょ。書けばいいんでしょ。

 

じゃあ、前回の続き。

 

殿様とは何か?序説

 

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 えー殿様の食事と言うものを、前回取り上げましてお勉強いただいたのですが、じゃあそもそも殿様ってのはどういう人々がそう呼ばれていたのか?と言う話しになります。

 だってさ、この落語の主人公である所の殿様ってのは、もう「殿様」っていう名前に成っちゃってるでしょ。でも本来「殿様」ってのは、肩書き、役割、いわゆる肉付け要因であって・・・

 

 例えば、

 

 「山田何某という名前の男が居た。この男は、中肉中背のありふれた中年男で、某企業の万年係長で・・・ 」

 

と言う設定の漫画なり小説があったところの、名前(山田何某)とそのキャラを立体的に、イメージとして読者におぼろげながら、何となくだが確かなイメージを掴ませようとしているところの、いわば、付加価値・肉付けとしての万年係長と言うキーワードが、ねぎまの殿様で言う所の、本来は「殿様」というわーどに当たるべきはずなのに、名称とその肉付けである肩書きが一緒くたになってる。

 

 そこですよ。

 

例えば、現在において万年平社員、だとか、万年係長なんてワードが出たら、なんとなく想像ができますわな。

「万年係長の赤提灯れぽーと」とかいう話しが、漫画なり小説なりブログなりで持ち上がったら、皆々様は「万年係長」と言うワードを見て取り、詳細を聞くまでも無く察して、「ああ、職場の中で勢い係長までは上ったはいいが、なんか、何某かの事情かわかんないけど、仕事で行き詰まって仕事以外になんか逃げ道を求めた末の・・」とかその先はわかんないけれど、なんとなくバックボーンは察せられますよね?共通認識としてあるから。

 

そこなんです。

 

テレビ時代劇の人気も落ち果て、誰もが知る人気長寿番組であった『水戸黄門』の新作が途絶えて久しく、ましてやこの『ねぎまの殿様』という噺が作られた当時の「殿様」というワードからくるパブリックイメージとは皆々様、だいぶ当時の「殿様」からなすイメージ・共通認識からは、皆々様随分乖離をきたしていましょうから、今からあたしが噛んで含むように、お優しく、ねんごろになって説明いたしますれば、皆々様ご理解が深まり「殿様とは、かようなものであったか」と、いささか洗脳めいて口っ調まで殿様じみてくる始末で、それが元で「やだ、最近ウチのダンナ、なんか変なもんにハマッてる」と、現代の井戸端会議場であるところの、主婦連のたまり場。ヨガ教室なんかで、「うちのダンナが、最近変ななんだか雅やかな殿様じみた言葉遣いでなんか怪しいモンにハマッてるっぽい。」「っげ、ウチもだわ。かくありナン」とか、しゃあしゃあと議論を交わしますと。

 どうせ、こういう界隈には、一人や二人いまっしゃろ。妙に意識高い系の、言うなればスネチャマのママみたいな、耳が聞こえて自分が無い人・・・しかも過剰に反応する。・・・・みたいな人が「あーら、今頃江戸言葉でザーマスの?ふるきは良きと仰いますれば宅のダンナはハマリニハマッテ、もっと遡って、今は万葉の言葉遣いであたしに話しかけますのよ。あのよろし」・・・とか、わけの分からんことを話し出す始末で、先の主婦・・てかあんたハンの嫁ハンという設定で書かれたとこによる主婦ハンがそれを受けて、「なんか、マジキショい。江戸言葉止めさそ」と相成り。「奴が岳魚なんてふかした名前の奴が書くブログは一切見るな」とミコトノリが下りまして。

 

 まあそれに乗っかった、主婦Bであることの、どこぞの嫁が「以後江戸言葉禁止なう」とか、つぶやきで拡散しまして(しかもご丁寧にあたしんトコのurlまで配信されている始末。

 

それで、あたしん所は、たちまち悉皆炎上。コメント欄は罵詈贈号に溢れかえり、泣く泣く御いたわしやブログ閉鎖と相成ったので御座います。

 

って、そんな未来予想をしつつ、来週から、ちょいと更新してゆきたいと思います。

 

 

 

結局全部与太話で終わったな。今回

朝っぱらから、酒臭い話題でごめんなさい。夜勤明けで書いたんです。

 

今日飲んだ酒

金麦

黒霧島

 

*1:世に暴れん坊と謳われた六代将軍。正に殿様中の殿様