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今は昔、1980年代後半から1990年代前半にかけて、英国にてひっそりと咲いた婀娜花があった。彼らは皆地味目でいかにも暗く、下を向いてもくもくと演奏していたので、最初に誰が名づけたか、やがて人々は皆彼らの事を「シューゲイザー」とよんだ。
というわけで、シューゲイザーとは何ぞや?という話になるのですが、まあ百聞は一見にしかずと言いますし、ユーチューブでも垂れ流しといたほうが、分かりやすいんじゃないかと思う。
ごらんあれ。
おわかりいただけただろうか?
つまり、
- 1 皆どことなくナイーブそうな、見た目地味である。パンクファッションだとかいかにもバンドやっていますみたいな外見とは無縁の人々。
- 2 うるさい。ギターがうるさい。とにかくギターがうるさいよ。
- 3 メロディは、ポップ。・・・なんだけど、ボーカルがボソボソ歌っているから、たまによくわかんなくなる。
という上の三条件を足して、なんかアレコレ色々やると、
- 4 全体的に浮遊感がある。妙にドリーミーで癖になるサウンド。
- ¥はない・・あんまり商業的ではない
とまあ大体こんな感じがシューゲイザーの定義であります。
この上に紹介したマイブラッディバレンタインというバンド。この人たちの『ラブレス』というアルバムが、シューゲイザーの元祖であり、象徴であり、つまり金字塔なのです・・・とか書くと、知った向きが「はあ?シューゲイザーの元祖はジザメリだろ」といった声が聞こえてくるのでありますけど。
確かに確かに。
物事は、万物創造からこっち無というものはございません。常に何かがあって、その何かに連動する形で何かが起き立ち、それが運動となってまた別の何かを生み出すのでありますから・・・って随分大げさなほらを吹いたもんだな。
えーと、略称ジザメリ。ジーザスアンドメリーチェインというバンドにおいては、確かにそこにシューゲイザーの原初を認め、雛形を感じることは出来ましょう。出来ましょうが、しかし、その種が結実し木となり実を結ぶのは、やはりマイブラの『ラブレス』。
ラブレスこそ全て。
って、勢いで原理主義者みたいなこと書いちまったが、じゃあその雛形となったジーザスアンドメリーチェインの曲を、少し聴いてみようか。
The Jesus And Mary Chain - Just Like Honey (Official VIdeo)
って、これ、すげーかっこいいな。
いかにも、酒が飲みたくなってくる。それに確かにシューゲイザー的な要素がばっちりある。PVもいかにも八十年代的なダサさが有るが、今見てみると五週くらい回ってなんかいいよね。ジザメリ、あんまり聴いてなかったんですが、ちゃんと聴いてみよう。
因みに、このジーザスアンドメリーチェインというバンドは、ドラマーが後にプライマルスクリームとして世に出る前のボビー・ギレスピーです。プライマルスクリームはシューゲーザーじゃないので、あしからず。
・・・・でもカッコいいから、載せとこう。
やあ、いいねえ。燃えるねえ。酒がすすむねぇ。俺は何で今芋焼酎なんて飲んでんだこのイモヤロウ!!って気分になるね。やけくそに安いスコッチをラッパ飲みして、道端で寝転がっていたい気分。今日日凍死必死ですが・・。
因みに、上記のマイブラッディバレンタインのボーカルでありすべての音楽を創造したケビンシールズさんは、まるでオリジナルメンバーのようにしれっとサポートメンバーとしてこのプライマルに参加しています。
と、ここまで書いて、他にシューゲイザーって何を聴けばいいの?と、もし仮にでも思った御仁のために、お勧めバンドをあげときます。
チャプターハウスこそがシューゲイザーなんじゃないかと思う。上にマイブラッディこそが全てと書きましたけど、別に前言撤回しませんけど、チャプターハウスのほうが、シューゲイザーとしてはシューゲイザーのサウンドを貫いている。故に脆弱だともいえる。ラブレスは、ジャンルの枠を超えてゆく力強さがあるが、チャプターハウスはノイジーでドリーミーなサウンドの模範的回答って感じもする。言ってみればそれだけ感。
ライドも良いよね。カッコいい。ナイーブな男気がある。あと、ビートルズから通低するUKのバンドサウンドらしさみたいなものを、一番感じる。
オールナチュラルレモンアンド
All Natural Lemon & Lime Flavors - Your Imagination
これは全然、所謂シューゲ以降のバンドです。しかもアメリカ。しかし僕が始めて出会ったシューゲイザー的なドリーミーなサウンドということで。載せときます。
。好きです。
日本のバンド。好きです。元ナンバーガールのアヒトイナザワが、ドラムを叩いていますね。